エンデの言葉

ミヒャエル・エンデ‏@Michael_Ende_jp

灰色の男たちは、こまぎれ、分解の原理です。彼らにとっては、計算、計量、測定できるものだけしか現実性をもたない。計量思考を代弁しているのです。計量思考は現代社会をほとんど覆い尽くしている。しかし、人間は今、そこから再び全体性を見つけ出そうとしている。

皆さんが褒めるには、私が『モモ』を書いたのは、現代社会で誰もが忙しくて「時間」の持てない存在になったことに注意を喚起させるためだった。あるいは、人々のストレス状態、世の中の慌ただしさを警告するためだった、というのです。けれども、いや、いや、ちょっと違います、とは言いたい。

人間から時間が疎外されていくのは、いのちが疎外されていくことであり、そう仕向けていく恐ろしい力が世界にある。しかし一方に、別の力が働いており、これが人間に治癒の作用を送ってくる。と、そこまで(『モモ』で)暗示したつもりです。

病気とは力です。ものすごい力です。ただ、別の種類の力。もっと高度な種類の力なんだ。だから、私たちがそれを正しく使わないと、その力は我々を破壊するのです。




自己に執着すればするほど、人は真の自己を失う。自己をなくせばなくすほど、人はその人自身になる。



この世界の現象の背後にある精神的なもの、霊魂的なものは、五感を通じての私たちの直接の知覚からは隠れています。”隠れている”とはしかし、ラテン語の「オカルト」の訳語にすぎません。



真の芸術、真のポエジーは、いつも頭と心と五感の統一体から生まれ、それを受け取る人間に、この統一体を再建します。つまり、それはその人を治す、治癒するのです。